1枚15万4000円で買った金貨が、80万円を超えていた。子どもが生まれたときにもらった出産祝いを、アイジュさんがそのまま金貨に換えておいたものです。10年ほどで5倍になりました。
本人は「そのとき別に大したお金もなかった」と言います。気づいたきっかけは、成田空港のコンビニで買ったおにぎりでした。
おにぎり223円で、日本のインフレに気づく
2026年の年末年始、アイジュさんは5年ぶりに日本で年を越しました。成田空港で特急を待つ10分の間に、ファミリーマートでおにぎりとカフェラテを買う。クレジットカードで払った領収書を何気なく見ると、おにぎり223円、カフェラテ210円と書いてありました。
日本を出たころ、おにぎりは110円か120円でした。円安の分だけ高く見えるのは分かっていた。今回は、それ以上に上がっていると感じたそうです。3か月に1回は帰国していたのに、少しずつ上がるので気づかなかった。そこから値札が気になり始めます。ミスタードーナツは200円を超え、妻の実家近くのスーパーではいちごが1000円。前は680円で買えていたものです。
ゆーアイジュさんは毎年、今年の目標と中長期の目標を立てています。年に100万円積み立てる目標なら110万円か120万円に、月8万円の積立なら月10万円に。インフレを前提に、目標の金額そのものを見直したほうがいいと考えるようになりました。
100万円当たったら、貯金するな
ここからアイジュさんの口調が強くなります。
アイジュ「使え」と「金を買え」が同じ文の中に並んでいるのが、アイジュさんらしいところです。現金のまま置いておくことだけが、選択肢から外れています。物価が上がり続ければ、置いた現金で買えるものは毎年減っていくからです。この計算は医師の積立投資は「始めた年」で決まるに書きました。
出産祝いを、そのまま金貨に
金の話になったところで、アイジュさんが金貨のことを思い出します。下の子が1歳になる前、親族からもらった出産祝いを、子どもたち用の金貨に換えていました。
娘と息子で差がつくのは嫌だった。当時の出産一時金がおよそ40万円だったので、それをもらったと仮定して、父親からも少し上乗せする。それで金貨を1人1枚、合わせて2枚買いました。1枚15万4000円。プラチナのコインも買っています。それが最近、1枚80万円を超えていた。
ゆー本人の言葉では「軽い気持ちで買った」。子どもが困らないように、くらいの理由です。値上がりを読んでいたわけではありません。
「あげた」を紙に残す
買ったのはアイジュさんと妻です。ただ、子どもたちが2歳と4歳のころ、専門家に聞いた書式で「この金貨は子どもたちに贈与する」という書面を作り、印鑑まで押して残しました。その年は、ほかに現金を渡してもいなかったそうです。
親が子ども名義でお金や資産を持っておく場合、本当に贈与したのか、親の財産のままなのかが後で問題になることがあります。贈与には年110万円の基礎控除があり、その範囲なら贈与税はかかりません。あげた事実を、あげた年に紙で残しておく。金額が小さいうちにやっておくと、後の説明が楽になります。具体的な書き方は税理士に確認してください。
18歳の誕生日に渡すもの
金貨は、子どもたちが18歳になったら渡すと決めています。
アイジュさんが働くベトナムの病院の院長はフランス人で、その家では代々、18歳になると希望する時計を1本買ってもらうそうです。男女は関係ない。パテック・フィリップのような最高級ではなく、ロレックスやオメガ。使ってもいいし、何かあったら売ってもいい。資産になるものを、期待と一緒に渡す習慣です。
アイジュさんが「自分は金貨を18歳で渡すつもりだ」と話すと、院長は「それはすごくいいアイデアだ」と言ったそうです。収録の時点で、娘が18歳になるまで残り3年半でした。
アイジュさんの家では、モノを渡すだけで終わっていません。月に1回、娘と息子と3人で投資とビジネスの勉強会を開いています。言い出したのは子どもたちのほうでした。
15万円の金貨は、10年かけて80万円になりました。18歳の子どもがそれを受け取ったとき、値段より先に「なぜこれを買ったのか」を聞いてくるはずです。あなたなら、子どもの18歳に何を渡しますか。